般若湯

日記を書いていない日が続くと、「日記の書き方」というものを忘れてしまう。
書き方なんて、そんな大仰なものじゃないよという気もする。そういえば、黒田硫黄という漫画家が、『漫画の描き方を忘れました』といって漫画を描かなくなったらしいが、こんな感覚なのだろうか。

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朝、起きると傍らに携帯電話。そして体はずしりと重く、胃がむかついているのがわかる。典型的な二日酔い状態を満喫しながら、昨日のことを思い出した。


地元の会合に参加して、久しぶりにイッキをさせられまくり、JINROのウーロンハイをしこたま胃に収めた後、悪酔いした小生は後輩に電話をかけた…のはいいのだが、そこで取りとめもないことやら愚痴を喋ってしまったらしい。(ここら辺の記憶は非常に曖昧)とりあえず、後輩の返事で覚えているのは
「とりあえず悪酔いを覚ましてください」
という怒気を孕んだ嘆願だった。


「あー…」
なんとも情けない声をベッドに横になって吐き出しつつ、酒に呑まれてしまったことを自覚した。しかし、自分が悪いことをしたことは覚えているのに、肝心なその内容を忘れてしまっているのが大変気持ち悪い。酒は般若湯と言われるが、あれは多量に飲みすぎると体に悪いだけでなく、周りの人間を般若に変えてしまったりするようだ。