夢を見ながら、自分が夢を見ていることを自覚している人がいるという話を聞いて、恐怖を感じたことがある。―そんな、夢の中で意識があるなんて、そのまま夢に閉じ込められてしまうのではないか、そう思ったのだ。(そういえば、ジョジョの奇妙な冒険第3部に登場する「デス・サーティーン」は自分の中で最も印象に残ったスタンドだった)全く、臆病にも程があるが、もし自分がそんな状態に置かれたら、「早く夢よ覚めてくれ」そう切に願うだろう。
と、思っていた。
しかし、先日見た夢では確かに自覚しながら夢を見ていた。あれほど恐れていた状況が起こったにもかかわらず、夢の中の自分は頭の中で繰り広げられる寸劇を面白がって鑑賞していた。

夢の中で少女革命ウテナの主人公、天上ウテナが、自分の小学校の体育館のステージで敵と戦っている。敵が一体どんな輩だったのかは忘れてしまったが、敵は自分を『オニオンユニオン』の一人と名乗っていた。
(何故タマネギなのか、もうちょっとかっこよい名前はなかったのか)
と夢の中で小生はツッコミを入れたが、『オニオンユニオン』メンバーは夢の主を放ったらかしにしてレイピアをウテナに真っ直ぐに突き出しながら語る。
「タマネギは剥いても剥いても中身がない。僕らもそうさ。家族や友人、恋人達に合わせて仮面を被り、薄い薄い皮を一枚一枚付け替えては笑顔を作る」
そんな薄ら寒いことを言う敵の顔は、まさしく仮面に覆われていた。


まったく、どんな深層心理の表出かわからないが、せっかくだからフルッター博士とか出してもっとハチャメチャにしてくれれば良かったのに。我が脳のギャグ要素不足にも困ったもんだ。