建築家と言えば中村青二


森に囲まれた墓地。ユダヤ、キリスト、イスラムかかわりなく埋められる「共同」墓地。
工業化著しい20世紀初頭ストックホルムでは急激な人口増加と、他社と濃密な繋がりのない個人の誕生により、教会に埋葬されない死者が急増?公的な墓地の必要性が高まる。
時は「科学」黎明期から勃興期へと移る時代。鉄・ガラス・コンクリートは都市の外観を変え、墓地の生成にもその影響が広がっていく。

  • 「あなたは死んだらどこに埋葬されたいですか?」

E・グンナール・アスプルンド…息子の死に直面して以後、約25年間墓地の建設に人生を費やした建築家。墓地は人の死生観を映す鏡。スウェーデン人にとっての森は祖先の魂が宿る心のふるさと。アスブルンドは今まで建築家が踏み込むことのなかった生と死の領域に初めて踏み込んだ。

  • 各施設
    1. 森の礼拝堂(1920年)入り口の扉には「髑髏と太陽」。比較的狭い入り口からアーチ型の広い天井。悲しみから祈りへと導く効果?「今日はあなた明日はわたし」。
    2. 森の火葬場(1940年)着想から既に20年経過。大礼拝堂(聖十字架礼拝堂)、小礼拝堂(信仰の礼拝堂)
    3. 追憶の丘 自然葬(散骨)が行われる。散骨場所は誰にも明かされない。「死者は追憶にこそ生きる」