寸感 『幻燈蛾蝶十六世紀』

ああ、いたはしや老の身の
手慣れし劍《つるぎ》に力こめしも
老いたる腕《かいな》のあわれなる


覘《ねらひ》は外《そ》れて
太刀風によろめきまろぶ
老人《おいびと》よ!


唸る太刀風
トロイの城楼
燃ゆる頂上《いただき》
雷火と砕け落ちれば


ピーラス暫く
耳聾《みゝし》ひたり


ああ、見よ! 白頭の老爺!
斫らんと上げし
剣は空にとどまりて
ピーラス立縮む


ピーラスやがて敵意を復し
血汐したたる血刀を
老王めがけて打ち下ろす!

少女革命ウテナの挿入曲?の歌詞。非常に詩的で、劇的な場面を髣髴とさせる…
特に最後の三行が決定打。
こんな歌詞をよく…と思ったら、実はこれは『ハムレット』に同じ台詞の場面があったりする。