暁の空

気づくと、私は故郷に向かうバスの中にいた。
比喩表現ではなく、本当にそんな感じだった。

昨日、若々しく持って行きようのないエネルギーを発散した
推理劇(特に背景にそれは顕著に現れた)を鑑賞(或いは干渉)し、
仮説を二つ書いてしまって失格となった後

とってもグルーヴィ且つブリリアント、
そして大変ソフィスティケイティッドされた、
プリンティンで感動的なマツケンサンバは接点t!

なライブを楽しみ、これまた模擬店を冷やかした後、
打ち上げに私は参加した。

ここまでは、記憶が確かだ。
だが、この後の記憶がほとんど断片的で、一貫していない。

こういうときは、確かな記憶のみを列挙するのだ。
それしか天と地との間にあって自分をつなぎとめる方法はない、
とどこかの知的ぶった親父が言っていたようなそうでないような。

――

私は、「マンマミーヤ!」と叫んで生中を飲み干した。
私は、久方ぶりにS氏と「紅白饅頭」をサークルメンバーの前で披露した。
私は、会長用メモに蚯蚓腫れのような文字で落書きをした。

私は、『マツケンサンバ』を踊った。

そして私は、サ館で眼を覚ましたのだ。



帰り支度をしていると、傍らで雑魚寝をしていたサ館の若い住人が眼を覚ました。
私は感謝の念を伝えると、世界の果てを後にした。…と思う。
(また分かる人にしか分からないネタを最後に持ってくる)