冬の早朝、お台場にて

 イベント二日目。

始発で会場に向かう。会場到着は午前六時(!)

「なんでそんなに早く向かうの?」

といぶかしむ方もいらっしゃると思う。

確かに、ぶっちゃけて言ってしまえば、二日目はそんなに自分に興味があるものがあるわけではない。


ならば何故か?


それは、早朝の会場の周りをぐるりと散歩するのが好きだからだ。

このイベントの目的からは逸脱していると言わざるを得ないが、結構楽しい。

寒い寒いと友人とぼやきながらイーストプロムナードを歩き、夢の大橋を渡る。
ここからはセンタープロムナードと呼ばれ、更にここを真っ直ぐに進む。
すぐ左にはパレットタウンと呼ばれる複合娯楽施設があるが、
早朝のこの時間帯に開いているはずもなく、横目に通り過ぎる。

寒さに震えながら歩いているうちに、青海にたどり着く。
ここで右に進路を取り、北へ向かう。
ユリカモメ用の通路を抜け、両側にお台場の高層建築群を眺めながら、
階段を上ったり降りたりするうちに、お台場海浜公園に到着。


目の前に広がる冬の海。


日本海のように岩を削る荒波ではなく、穏やかな波が打ち寄せる砂浜。
夏には水母の屍骸が多く打ち寄せていたが、この日はほとんど見られない。
よく見ると、今年の夏までは砂がなかった入り口の階段の所まで砂が押し寄せているのがわかる。
どうやら、夏以降削られてしまった砂を補充したらしい。

人口の砂浜、穏やかな海の向こうにはこの日本の首都である東京都、
その一区品川の高層建築群が灰色の雲の彼方にくすぶるように立ち並んでいる。
一体奇抜なデザインのあの建物達は何の目的で建てられたのか。
じ、と見ていると朝日と呼ぶには弱々しい光が建物達を照らし出していく。

嗚呼、ここにも日の光は差し込むのだな。

と一人思って散歩終了。



あの景色がなんか好きなんだよなあ。