インドの衝撃

数日前、NHKでやっていた『インドの衝撃』がなかなか面白くて、全部見てしまった。

市場にならないと言われていたインド農村の貧困層に1インドルピー(約3円)で
商品を売るインド企業のやり方は、古代ローマを連想させた。

インド企業。古代ローマ。どちらも「インフラ」を重視している、そんな気がする。

古代ローマでは植民市には水道や街道などのインフラがまず整備され、そこに植民兵が駐屯した。
征服地にこうしたローマ式生活様式が普及していくことで、彼等の『文明』が各地に浸透していった経緯がある。

そしてインド。自給自足の生活を送り、商品に見向きもしないインド農村は
市場にはならないと言われてきた。
それは当たり前と言えば当たり前で、商品の意味や使い方を知らないのに
金を払えと言われても、彼らからすれば何のことやらだろう。

「石鹸がどういうものか知りません」

そう語るインド農村の人たちにはまずその存在を知ってもらわなければ意味が無い。
それに気づいたあるインド企業はいろんな手を実行している。
学校で子供たちに石鹸の効果を紙芝居にして教え、インターネットの基盤も自ら敷設する。

時代は違えど、インフラを整備してまずは文明の味を知ってもらうことで
後々に利益が戻ってくると知っているからこそできる技だ。