百物語 (新潮文庫)

百物語 (新潮文庫)

江戸時代のあやかし、魑魅魍魎をただ怖いだけではなく、滑稽に淡々と描いた99のお話。見せ方、話の終わらせ方が大変秀逸で、後に「そっと」残る怖さを味わえる。
お気に入りは

  • 其ノ十二「かぴたん奇法の話」(母の病を伝え聞いた息子が、かぴたんの奇法を用いようとする話。最後の一言が良。)
  • 其ノ四十一「地獄に呑まれた話」(ある旅の父子が地獄谷という場所を通りかかったとき、池が煮え立っているのを見つける。父が池に指を入れてみると…)
  • 其ノ九十八「赤い実の話」(薄雪積もる晩、丁稚と夜道を歩く旦那。そこで調伏をしようとする娘を見てしまう。ご隠居と旦那の掛け合いが見事)

ご冥福をお祈りいたします。