スケープゴート

真・女神転生ⅢNOCTURNE〜マニアクス〜◆ 

発売まで後十日。


卒論を書いている間は殆どパターン化された生活をしていた。
終始パソコンの前に向かい、疲れたらそのまま仮眠を取り、
腹が減ったら簡単に作れる麺類で腹を満たす。

そんな機械的な生活を送っていたのに、
それと反比例して水周りは洗いかけのお皿や鍋が溜まりまくり、
大変、生活感の溢れすぎた台所になってしまった。

その後すぐに片付けたのだが、昨日のハンバーグ祭りのため
これまた一気に水回りは卒論執筆中と同じ状態に。

一気に洗う気がそがれたのもあって、晩ご飯は外で食べることにする。

どこで食べようかと考えていたら、M嬢が
「T君、御飯食べに来ても良いと言っていましたよ」
とのたまう。
その瞬間、冷徹な悪魔の目がキュピーンと怪しく輝いたのは言うまでもない。
今宵の生贄は定まったのだ。

……その数時間後、後輩T君宅で食卓を囲む一人の男の姿があったが、
それが一体誰であったかはご想像にお任せするとしよう。